城山ダムの視察

県連議員団有志で、台風19号により1965年の運用開始以来初の緊急放流に至りました「城山ダム」の視察に参りました。
当日は分単位・秒単位の「神操作」によって危機を免れた点、宮ケ瀬ダムが持ちこたえたため複数ダムの緊急放流に至らなかった点、また緊急放流時は下流域堤防の設定を越えたハイウォーターであり結果論として決壊が起きなかった点などが確認されました。
私からは事前に「実施された備放流(治水のため予め水位を下げる)」「実施されなかった事前放流(予備放流よりさらに利水用の貯水を放流する。下流域自治体など利水域への確認が必要)」について質問しておりました。
下流域自治体との連携が必要になるため事前放流が出来なかったわけではなく、ダム設計時に今回の規模の雨量が想定されておらず、水圧の関係「放流量=(Q-1500)×0.58+1500 ※流量m3/s」で予備放流水位113メートル(実際には112メートルで運用)より下には効果的に放流出来ない旨の説明がなされました。
設計当時は発電含め利水目的(水がめ)としての機能であり、地下神殿といわれる首都圏外郭遊水路のような「治水」目的だけではないところにダム運用の難しさがあります。
今後の課題として平時から下流域自治体住民へのダムへの理解をすすめ、避難想定を徹底周知すること(緊急放流を伸ばしたことで避難所から戻ってしまった方もいたそう)、そのための自治体への情報伝達やハザードマップ整備など多くの問題点が見つかりました。