トップの情報発信のあり方

新型コロナ感染症拡大を収束させるには、県民一人ひとりの「行動変容」が大切だと考えます。そのためにこそ、トップの情報発信のあり方が重要なのです。
「夜20時以降の外出は控えてください」と安易に発信してしまえば、「昼間なら大丈夫」と誤ったメッセージが伝わってしまいます。
トップとして、また、行政機関としての責任が問われます。
国において上述の問題が発生したところ、神奈川県においては、今、また再び、「マスク飲食の推奨」がとりわけ強調されて発信されました。
すでに感染症収束のため、「黙食(黙って食べる)」・「個食(一人で食べる)」が呼びかけられています。
マスクはあくまで飛沫拡散防止策であり、「人と人との会話」を前提としている以上、黙食・個食・テイクアウトより明確に後退してしまっています。
また、「マスク着用なら会食もオーケー、マスク『飲食』になったから何でもオーケー」とのメッセージで伝わってしまえば、コロナ慣れが指摘される昨今、また歓送迎会シーズンを迎えるにあたり、逆に行動の緩みを誘発しかねません。
(※国の新型コロナウイルス感染症対策分科会からは宣言解除後も宴会の類は当面控えるように要請されています。)
マスク飲食は、「やむをえざる場合に限り、あくまで『次善策』として推奨する」が行動変容の本来の優先順位であり、正しい情報発信でしょう。
黙食・個食・テイクアウトを徹底し、晴れて緊急事態宣言が解除された先、徐々に行動を緩和して新しい日常に移行する際の生活様式であり、知事メッセージの「一段ギアを上げた対策の強化」ではないと感じます。
さらには、マスク飲食の推奨が飲食店への協力金の条件に義務づけられたことで、さらなる混乱を招きます。
理屈でいえば、飲食店がお一人様のお客様にさえマスク飲食をお願いしなければいけなくなります。
お店側の負担とお客様のストレスの先に何が残るのでしょうか。私は違和感が残ります。